1年前のF1戦前予想を答え合わせ。フェルスタッペンを推したのだが... (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by AFLO

 予算縮小のためマシン開発は十分に行なえず、スペインGPでBスペックという位置づけの新型ノーズを含むアップデートを投入したものの、開発の方向性は迷走した。シーズン後半戦はその新型ノーズの整流フィンを外したり、薄いフロントフラップを使ったりと、ドラッグ削減に活路を見出そうとするしかなかった。

「同じパワーユニットを搭載するレッドブルが表彰台争いをしているのだから、我々も表彰台が狙える」と豪語していたが、実際には大きな差をつけられた。車体の性能差が白日の下に晒(さら)されてしまった形だ。

 中団グループのなかで、マクラーレンが純粋なマシンの速さでトップに立ったことは一度もなかった。それでも、開幕戦オーストラリアGPとシンガポールGPでは中団トップの結果を残したように、レース戦略とフェルナンド・アロンソの腕は確かだった。

 コンストラクターズランキング6位(実質7位)という結果は、マシンの実力を大きく上回るもので、ハースやトロロッソが取りこぼしたポイントを着実に積み重ねたチーム力があったからこそ。その点は、予想をいい意味で裏切ってくれたことになる。

 しかし、2019年に向けてはドライバーラインナップが新加入の若手コンビ(カルロス・サインツ、ランド・ノリス)になり、獲得しようとしたジェームス・キーは実働開始が遅れ、チームスタッフもかなり引き抜かれている。今季の開幕前に比べれば、この1年でさらに厳しい状況になってしまったと言わざるを得ないだろう。

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