名ドライバーが残した鈴鹿名言集。セナはスプーンカーブで「神を見た」 (2ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • photo by AFLO

『日本のファンは本当に熱狂的で、他の国と比べても気合いの入れ方が違う。クレイジーという人もいるけど、僕は情熱的ですばらしいと思う』
(マックス・フェルスタッペン)

『日本のファンは、すごく誠実。自分たちで(お気に入りのドライバーの)スーツやヘルメットを自作したり、いろんな衣装で登場してくれる。僕はそんな日本のファンが好きだよ』
(ダニエル・リカルド)

 鈴鹿が多くのドライバーから愛されている理由のひとつは、「熱狂的な日本のF1ファン」の存在だろう。昨年、ダニエル・リカルドとマックス・フェルスタッペンが来日したとき、鈴鹿サーキットで盛り上がるファンの熱狂ぶりを見て上記のように驚いていた。


『スプーンカーブを走っているとき、神を見た』
(アイルトン・セナ)

 アイルトン・セナが自身初となるワールドチャンピオンに王手をかけた1988年。セナはポールポジションを獲得したものの、スタート時にエンジンストールを起こして大きく後退してしまう。その時点でセナの優勝は潰(つい)えたかに思われたが、そこから鬼神のような走りで順位を取り戻し、27周目にはアラン・プロストをオーバーテイク。大逆転で優勝を飾り、初のワールドチャンピオンに輝いた。その際にセナが語ったのが、この言葉。今でも多くのファンに語り継がれている名言だ。


『GP2エンジン?』
(フェルナンド・アロンソ)

 2015年、ホンダは第4期のF1活動を開始したが、これまでとまったく異なるハイブリッドシステムを搭載したパワーユニットの開発に苦戦した。鈴鹿でもパワー不足に悩まされ、ホンダのお膝元のサーキットで次々とライバルのマシンに追い抜かれるシーンがテレビ映像に映し出された。

 そして、レース途中にしびれを切らしたアロンソが無線で発したのが、「(僕のエンジンは)GP2エンジン?」。GP2(現FIA F2)とは、ヨーロッパを中心に開催されているF1直下のカテゴリーレース。つまり、ホンダエンジンだけGP2のようにレベルの低いエンジンなのでは......と皮肉る発言だった。

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