悔しいぞ、トロロッソ・ホンダ。弱点を改善、マシンは最高だったが... (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 しかし、トロロッソはバーレーンでの快走の後、上海とバクーでは低迷してしまったその原因を探り、ひとつの結論に辿り着いた。

 タイヤへの熱の入れ方と、風への対応――。主にこのふたつがSTR13のパフォーマンスを大きく左右しているという推測に基づき、金曜はフリー走行1回目から2回目へと大きくマシンを振って、その実地検証も行なった。

 ほぼ全開区間だけのセクター1での後れが大きかったが、これを是正する方向でセットアップの最適化も進めた。そうやって予選・決勝までに、STR13本来のポテンシャルを引き出す方法に辿りついたといってよさそうな状態だった。

「今週末の僕らのクルマはすごく満足できるレベルだったし、テクニカルなセクター3では常にトップ10にいたくらい、いいパッケージだった。今週末は上海やバクーに比べて、ポテンシャルが高かったのは確かだ。

 ただ、コーナーですごく速かった反面、ストレートで失っているから、まだドラッグ(のセッティング)が大き過ぎるんだと思う。もう少しダウンフォースを削ってストレートでもう少し稼ぐことができないのか、今後に向けてはもっといい妥協点がないのかを探る必要がある。来週(5月15日~16日)のテストではそのあたりも理解を深めるために、さまざまな項目をテストすることになるね」(ガスリー)

 予選Q2では10位のフェルナンド・アロンソに対して0.364秒の差をつけられ、12位にとどまった。チームとしてはハース、ルノー、マクラーレンの次で、フォースインディア、ザウバー、ウイリアムズよりは上という、中団の真ん中のポジションだった。

 ヨーロッパラウンド開幕のスペインGPにはハース以外の多くのチームが大きめのアップデートを持ち込んでくるなか、トロロッソの開発はやや遅れ気味でアップデートがなかった。ただし開幕4戦を終えて、マシンとセットアップへの理解をまだまだ深めなければならない段階にあったトロロッソにとっては、ここで下手に"下地"を変えず、自分たちの分析結果を同じ"下地"で検証しなければならないという側面もあった。

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