トロロッソ・ホンダの速さは何番目か。今季F1「真の戦闘力」を比較 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 ルノーもフォースインディアと同等の速さを見せており、中団のトップを狙うという彼らの狙いは着実に果たされようとしているのがわかる。ルノーは信頼性重視のためにパワーユニットの出力をまだ昨年最終戦レベルに抑えて走行しているとみられ、この出力アップのめどが立てばさらなる進歩を見せてきそうだ。

 その次に続くのが、注目を集めているマクラーレンとトロロッソ・ホンダだろう。ハイパーソフトでアタックを繰り返して上位タイムを刻んだマクラーレンだが、レーストリムでの実力はそれほど高くはなく、中団グループの上位争いになんとかついていっているところだ。ただし、リアカウルを現場で急に開口しなければならないような冷却システムの不備もあり、今回のテストでは実力を発揮しきれなかったことを考えれば、まだまだ伸びしろはあるとも言える。

 そしてトロロッソ・ホンダは、ラップタイム的にはマクラーレンをやや下回り、それよりも下位には新人ふたりのウイリアムズと昨年最下位のザウバーしかいない。

「ハースやルノー、マクラーレンはとても強敵だし、トップ3チーム以下の残りのポイント圏内4席の争いは熾烈だけど、彼らとは戦える位置にいると思うし、僕らが中団グループのバトルのなかにいることは間違いない。まずはメルボルンでポイントを獲ること、それが僕たちのゴールだよ」

 ブレンドン・ハートレイがそう語るように、ドライバーたちはテストでの走りに手応えを掴んだようだ。

 スーパーソフト、ソフト、ミディアムと、2ストップでつないだ各スティントの走り始めのペースはルノーやマクラーレンと同等かそれ以上だが、タイヤのデグラデーション(性能低下)が大きく、スティントの後半に燃料が減った分だけペースが上がっていかないのがトロロッソの特徴だ。つまり、タイヤをうまく使えていない。そこがトロロッソ浮上のカギになりそうだと、ピエール・ガスリーも語っている。

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