F1ホンダが新体制に。「失敗しないアプローチ」は今度こそ成功するか (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 長谷川総責任者に代わってテクニカルディレクターとして現場統括を引き継ぐのは、田辺豊治エンジニア。

 1984年にホンダに入社し、第2期F1活動でゲルハルト・ベルガーの担当エンジニアを務め、その後はインディカーを経て第3期F1活動でジェンソン・バトン担当エンジニア、最後の2008年はF1開発責任者となっていた。第3期ではバトン担当が田辺、もう1台のジャック・ビルヌーブと佐藤琢磨が長谷川と、このふたりがF1活動の実務面の中心人物だった。

 田辺はその後、アメリカのHPD(ホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント)でシニアマネージャーを務め、インディカーのエンジンも担当。今年インディ500で佐藤琢磨が優勝したときや、フェルナンド・アロンソがテスト走行から好走を見せた際にも、すぐそばに田辺の姿があった。今年10月の第17戦・アメリカGPにも姿を見せており、このころからすでに今回の人事は視野に入っていたものと推察される。

 ただし、すでに述べたように、テクニカルディレクターの守備範囲はレース現場の運営である。つまり、できあがったパワーユニットをどう使うかというのが仕事であり、その手腕でパワーユニットが速くなるといったようなものではないことも忘れてはならない。

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