ウイング立てて直線伸びず。なのにアロンソはホンダ批判という理不尽 (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文・撮影 text & photo by Yoneya Mineoki

 決勝でアロンソは、アグレッシブなスタートでペレスをかわして5位に上がったものの、直後のセーフティカーからのリスタートで反応が遅れ、マッサに抜かれて6位に後退。ペースはアロンソのほうが速いが、曲がりくねったインフィールド区間では抑え込まれ、ストレートではDRS(※)を使っても追い抜きのチャンスが得られず、本来の速さを発揮できなかった。アロンソが危惧したとおりの展開になってしまったのだ。

※DRS=Drag Reduction Systemの略。ドラッグ削減システム/ダウンフォース抑制システム。

 唯一の逆転のチャンスはピットストップだったはずだが、1度しかないそのチャンスでウイリアムズに先に動かれてしまい、アンダーカットは果たせず。その後はまた必死にマッサに食らいついていき、そのスリップストリームとDRSを活用することで最高速が350km/hまで伸びるペレスをなんとか抑え、8位でフィニッシュするのがやっとだった。

「レースを通してクルマはすばらしかったけど、パワー不足でオーバーテイクすることは難しかった。メキシコGPと同様、アメイジングなくらいパワーがなかったからね。最終コーナーでは何度かフェリペにかなり接近することができて、『これで抜けるかも!』と思ったけど、DRSを使っていても(メインストレートで)引き離されてしまうくらいで、ストレートエンドでは遠すぎてチャンスなんてなかったよ。"普通の"レベルの車速があれば、4位か5位にはなれたはずだ。このパワー不足は、トロロッソにとっては来年に向けて大きな心配事だろうね!」

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