インディ500勝者の佐藤琢磨に異常事態。移籍先チームの戦闘力は? (3ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 2013年からRLLはドライバーにボビーの息子のグレアム・レイホールを起用。なかなか2カー体制を機能させるだけの資金確保は難しく、2014年からはグレアム1人を走らせる体制に縮小した。しかし、その後も2カー体制の確立を目標にスポンサー獲得に努め、ついに2018年シーズンに向けた資金を確保。グレアムのチームメイトに琢磨が起用されることになったのだ。

 RLLが実力を伸ばしていることは、この3シーズンの成績を見れば明らかだ。グレアムは2015年に2勝、2016年に1勝、2017年に2勝を挙げている。シリーズランキングは、それぞれ4位、5位、6位だった。

 2015年にエアロキットバトルが始まると、ホンダはシボレーに対して明らかに劣勢に陥った。しかし、RLLとグレアムはその年に2勝を挙げている。この年も翌年も、グレアムのランキングはホンダ勢最上位だった。2017年は強豪チップ・ガナッシ・レーシング・チームズがホンダ陣営に復帰し、スコット・ディクソンがランキング3位となってホンダ勢トップとなったが、それでもグレアムの6位はホンダ勢の2番手だ。

 これに対してAASは、強豪の一角に数えられているものの、ここ数年は停滞気味だった。2014年からの4シーズンでインディ500では3勝も挙げているため、低迷の印象は薄いが、4台体制を敷きながら彼らの手にした勝利数は2015年が3勝、2016年が1勝、2017年が2勝。直近の2シーズンでは1カー体制のRLLと同じ数字しか実現できていない。

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