あのクビサがF1に帰ってきた。6年ぶりドライブで現役復帰は見えたか (6ページ目)
多くの人は、ドライバーというのは走ることによって速くなると思っているかもしれないけど、実際には考えること、どこをどうよくできるかを考えることによっても速くなるものなんだ。明日走れるなら自分の走りをさらによくするためのアイデアもあるし、クルマを自分にフィットさせ、より楽にナチュラルにドライブできるようにできる。これから今日起きたことをもう一度じっくりと考えて、次に走るチャンスがあったときには、もっとナチュラルにマシンに適応した状態で走ることができると思う」
現時点でルノーは、クビサの現役復帰や次のテスト機会については何も明らかにしていない。F1で次に行なわれる合同テストは最終戦後のアブダビを待たなければならず、プライベートテストでは過去2年間のマシンを使用することは許されていない。
クビサ自身はF1復帰を望んでいる。今回のテストを経験したことで、その思いはさらに強くなったようだ。
右腕切断寸前という重傷からここに至るまでには、血のにじむようなリハビリと、地獄を見るような精神的な苦境を何度も何度も味わってきたはずだ。そこから這い上がってきた。だからこそ彼は、不可能はないと言い切ることができる。
「何も不可能なことなんてないよ。この6年、僕は自分の人生においては、それまでと違うステージにいた。事故のケガによる身体的な問題をリカバーするために、多くを捧げてきたんだ。身体的なことだけでなく、頭のなかにはいろんなことが浮かんだ。それは誰だってあることだと思う。
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