あのクビサがF1に帰ってきた。6年ぶりドライブで現役復帰は見えたか (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文・撮影 text & photo by Yoneya Mineoki

 今でもクビサの右腕は40%の筋力しかないといい、自由に動かせる状態ではない。ヘッドセットのような軽いものを持つことはできるが、握手をしたり、手を振ったりという動作はすべて左手で行なう状態だ。

 事故後はWRCなどラリーを中心としたレース活動を続けてきたが、F1となると、速度域も身体にかかる負荷も何もかもが異次元となる。クビサのF1復帰は、何度か話題に上がっては消えるということが続いてきた。

 しかし、今年の春になって事態は急速に動き始めた。ルノーがクビサに復帰の可能性を持ちかけ、6月7日にバレンシアで2012年型マシンを使ってプライベートテストを実施。コンパクトで低速のサーキットとはいえ、問題なくテストをこなしたことで7月12日には高速のポール・リカールでもテストを実施して確認を行ない、ついに最新の2017年型マシンでのテストへと踏み切ったのだ。

 ルノー・スポールのマネージングディレクター、シリル・アビテブールは次のように説明している。

「2回のテストで多くの情報を収集することができ、今回のテストでは最新型マシンのR.S.17を使い、なおかつ他との比較も容易な状況で、さらに詳細で正確なデータを得ることができる。このテストの後、我々は収集した情報を慎重に分析して、今後のシーズンに向けてロバートがどのような形で競技に戻るのが好ましいのかを判断することになる」

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