マルケスの判断力&ホンダの対応力。天候不順のレースなら任せとけ!

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 4週間のサマーブレイクを経て、シーズン後半戦の緒戦となった第10戦のチェコGPはマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が制した。不安定な天候でフラッグ・トゥ・フラッグの展開になったレースを、マルケスの勝負勘のよさと機知(きち)、そして臨機応変な選手の状況判断に機敏に対応したチームの高い総合力が噛み合って掴み取った勝利といえるだろう。

チェコGPでポール・トゥ・ウィンを飾ったマルク・マルケス(中央)チェコGPでポール・トゥ・ウィンを飾ったマルク・マルケス(中央) コンディションの変化などによるマシン交換が許可されるフラッグ・トゥ・フラッグのレースでは、天候が悪化してスリックタイヤのバイクからレインタイヤのマシンへ乗り換える場合と、路面が乾いて初期のレインタイヤを装着した状態からスリックタイヤのバイクへ交換する場合の、大きくふた通りのケースがある。

 天候が悪化する場合は、マシン交換を許可する旗がマーシャルポストに提示された後に選手たちはピットインを許可されるが、ウェットレースでスタートして路面がドライへと変化する場合は、選手たちはレース開始後の状況変化に応じ、いつでもピットに戻ってマシンを乗り換えることができる。

 今回の場合は、ウェット路面からスタートし、路面が乾いていく展開だった。スターティンググリッドでは全員がレインタイヤを装着して臨んだが、ポールポジションのマルケスはスタート直前にリアタイヤをミディアムコンパウンドからソフトへと交換した。

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