W入賞のF1ホンダを数値化すると、ライバルとのマシン性能差が見えた (6ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 車体性能の向上だけでなく、マックスダウンフォース仕様を使って最大ダウンフォース量が問われるサーキットであったこと、そしてパワー差が出にくいサーキットであったことが絡み合って、マクラーレン・ホンダはハンガリーGPで中団グループのトップというポジションに立った。加えて言えば、車体性能だけを見れば実力はもっと上だ。

 しかし、まだまだ3強との差が大きいことを見せつけられたことも、また事実だ。

 フェラーリと比べれば車体で0.6秒、パワーユニットで0.6秒の差がある。決勝ではステアリングトラブルに苦しみ、ペースが上げられなかったセバスチャン・ベッテルにさえ71秒の差をつけられた。

 中団の雄を目指すのならば、この結果で大満足できる。しかし、それでは優勝はおろか表彰台さえ獲れない。優勝を目指すのならば、アロンソや前出のエンジニアたちが語るように、こんなところで浮かれている場合ではないのだ。

 シーズン後半戦でどこまで巻き返すことができるか。そのためには、車体とパワーユニットの双方がよくならなければならないことが明白になった。

 来季を巡って不穏な噂が飛び交うなかで、この結果を突きつけられたマクラーレンとホンダがどのような決断を下し、後半戦に臨むのか。彼ら双方の賢明な判断と、後半戦の逆襲に期待したい。

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