バトンと可夢偉がスーパーGT鈴鹿に挑む。マシンに乗った感想は? (5ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 ただ、チームも第3ドライバーとして戦力になってもらいたいのは間違いなく、2日目の午後には決勝を見据えたロングランテストをすべて可夢偉に任せた。テスト2日目はトータルで53周を走行。自己ベストタイムも1分51秒679と、チームメイトと比べても遜色のないタイムを記録した。

 それでもテスト終了後の可夢偉は、まだ完璧に乗りこなせているという感覚はない様子だった。「最初と比べるとちょっとはよくなりましたけど、まだわからないですね......」と控えめなコメントばかり。「ジェンソンが(テストのために日本に)帰ってきた意味がわかりますよ。GT500のクルマって(短時間で自分のモノにできるほど)甘くはないですからね」と語り、GT500マシンを扱う難しさを強調していた。

 とはいうものの、ロングランテストでのラップタイムを見てみると、可夢偉の控えめなコメントとは裏腹に、"さすが"と言える部分も多かった。

 最初の14周では1分54秒台を中心に周回が続いていたが、一旦ピットに戻って2セット目のロングランテストに入ると、1分53秒台までペースが上昇。セッション終盤に行なった3セット目の走行では1分52秒台で周回していた。タイヤやコースの状況もあるだろうが、走るたびに平均タイムが上がっている。この短期間でも可夢偉はさまざまなことを吸収し、マシンに慣れていった証拠だろう。

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