バトンと可夢偉がスーパーGT鈴鹿に挑む。マシンに乗った感想は? (3ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 GT500マシンは通常の市販車とは大きく異なり、ボディ内部は安全用のロールバーなどが装着されている。マシンには足から先に潜り込むようにして乗るなど、ちょっとしたコツが必要で難しい。バトンは182cmと長身なこともあり、乗り降りに苦戦するのではないかと思われた。

 チーム無限は初日のテスト走行終了後、マシンをピット前に出して交代練習を実施。2日目の走行セッション中にも、同じような練習を行なった。その感想について、バトンはこのように語る。

「今回のテストで初めてドライバー交代の練習をしたよ。単純に(マシンの乗り降りなど)ドライバーチェンジの部分は大丈夫なんだけど、それ以外に覚えなきゃいけないことがたくさんあって大変だった。ギアをニュートラルにしてエンジンを停止し、クーリングダクトを抜き、無線コードやドリンクのチューブも外し、シートベルトも外さなきゃいけない。最初はそれに混乱したので、練習が必要だね」

 最初はぎこちない部分も多かったバトンだが、前回のテスト同様に積極的にチームメイトやスタッフにやり方を教わり、すぐに上達。2日目の練習では少しずつ形になっていた。

 スーパーGTではピット作業を行なえるスタッフの人数が限られている他、給油とタイヤ交換は別々に行なわなければいけない。通常でも45~50秒ほどの作業時間がかかるため、ドライバー交代によるタイムロスは発生しにくいが、バトンのコメントにもあったとおり、コード類の脱着等で混乱してしまうと予想以上に時間をロスする可能性もある。本番でどこまで上達してくるのか、鈴鹿1000kmを戦い抜く上でのひとつのカギとなりそうだ。

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