ワイド化F1での度胸試し。今年のシルバーストンは「恐ろしく速い」 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 高速コーナーを全開で走っていく迫力はすごい。しかし、ドライバーにとってそれは直線という感覚であり、さほど難しいことではない。それよりもチャレンジングなのは、全開でいけるかどうかの瀬戸際でマシンとコーナーの限界を攻めていく駆け引きだ。

「いくつかのコーナーはもうコーナーではなくなるだろうし、チャレンジングでもなくなるだろう。そうなれば、ドライビングの仕方も少し変わってくる。オーストリアGPでもそうだったけど、今年は(ワイド化した空気抵抗のため)最高速が遅くなっていて、なおかつコーナリング速度が高いから、従来に比べてブレーキ距離が短くなっているんだ。ここではブレーキングがなくなるコーナーもあるかもしれない」(フェルナンド・アロンソ/マクラーレン)

 2017年型マシンのすさまじさを味わうのなら、マゴッツ~ベケッツ~チャペルの高速コーナー。しかし、ドライバーの妙技を量るのなら、コプスということになる。

 そんななかで「コプスは全開だ」と豪語するドライバー、すなわち圧倒的に優れた空力性能を持つマシンだと言い切るのがルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)だ。

「今年はコプスは全開だろうね。楽勝で全開でいけると思うよ。あそこまでに8速に入って、そのまま全開だ。マゴッツ~ベケッツもそうだろう」

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