琢磨40歳、エリオ42歳。インディカーを席巻する「おっさん」の底力 (3ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 しかし、レギュラーであらゆるコースのレースに出場し、シーズンを通して戦うとなると、やはりパフォーマンスを保てるドライバーには限りがある。それがカストロネベスでありカナーンであり、琢磨なのだ。

 カナーンはインディカー業界きっての肉体派。トレーニング・フリークでトライアスロンにも出場するほどだ。彼らがインディカーに上がってくる少し前ぐらいから、レーシングドライバーは食事に気を遣い、ストイックに身体を鍛え上げるようになった。

 ここ1~2年のカストロネベスは少々お腹周りが太くなってはいるものの、アイオワでは気温33度の暑さの中で300ラップのレースを戦い抜いた。自らの優勝を讃える彼のトレードマーク、"フェンス・クライミング(金網登り)"を披露すると、「以前より登るのはキツかった」と笑っていた。

 カストロネベスの目標はチーム・ペンスキー、つまりはオーナーのロジャー・ペンスキーに15回目のインディカー・タイトルをもたらすこと。20年のキャリアのうちの17シーズンをチーム・ペンスキーで走っている彼だが、チャンピオンになったことはまだ1度もないからだ。

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