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ザウバーCEO電撃解任で混乱。
ホンダは「金づる」になってはならない

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 第8戦・アゼルバイジャンGPを目前に控えた6月20日の火曜日、スイス・ヒンビルにあるザウバーのファクトリーでは大異変が起きていた。チーム代表であり、ザウバーグループのCEOでもあるモニシャ・カルテンボーンが即時、その職を離れることになったのだ。

アゼルバイジャンGP直前にカルテンボーンが離脱したザウバーアゼルバイジャンGP直前にカルテンボーンが離脱したザウバー「火曜日の夜にモニシャから電話がかかってきて、そのことを聞かされたんだ。もちろん、とても驚いたよ」

 ザウバーのドライバーであり、第5戦・スペインGPで8位入賞の殊勲をあげたパスカル・ウェーレイン(ドイツ)はそう語る。

 その背景には、スウェーデンのテトララバル社を中心とした「ロングボウ・ファイナンス」という投資グループの存在があった。昨年7月にザウバーの大株主となり、資金的バックアップによってチーム立て直しの立役者となった彼らだが、かねてから続けてきた同国人マーカス・エリクソンへの支援を拡大したことは明らかだった。

 一部では、エリクソン偏重のチーム運営を求めるロングボウと、それに反対するカルテンボーンとの間で意見がぶつかり、今回の解任劇に至ったと言われている。

 しかし、チームは21日にこうした報道が流れるや「両ドライバーは平等であり、憶測に基づく報道に強く異議を唱える」と声明を出すとともに、カルテンボーンの解任を発表した。また、エリクソンも次のように強く抗議している。

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