傑作か? 失敗作か?今季のF1参戦10チーム&マシンを一挙公開 (6ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

マクラーレン・MCL32マクラーレン・MCL32(6)マクラーレン
【ドライバー】フェルナンド・アロンソ(35歳・スペイン)/ストフェル・バンドーン(24歳・ベルギー)

 かつて1990年前後に黄金期を過ごしたホンダとの伝説のタッグ復活から3年目となったが、開幕前からきな臭い雰囲気が漂っている。1966年からF1に参戦する名門マクラーレンは、1981年からロン・デニスの支配下となったが、そのデニスが昨年のお家騒動の末に失脚。マシンを1960年代の伝統色オレンジに戻し、車名もデニス時代の「MP4-XX」を捨て「MCL32」として再出発を切った。だが、リーダーシップ不在のためか、パートナーのホンダ批判や提携解消がメディアで報じられるなど混迷を深めている。

 技術部門に大きな変化はないが、2013年にパディ・ロウが去ってからは明確な方向性を提示するリーダーの不在が続く。レッドブルの空力部門からピーター・プロドロモウを獲得したものの、ニューウェイ路線の模倣がうまく機能しているとは言いがたい。最後の勝利は2012年(ブラジルGP/ジェンソン・バトン)、タイトルからは2008年を最後に遠ざかっている。

「当代一の名手のひとり」と評価されるフェルナンド・アロンソが宝の持ち腐れと言われているが、彼自身マクラーレン、ルノー、フェラーリを渡り歩いても2006年の戴冠を最後に成功は掴めていない。圧倒的な強さで2015年のGP2を制した「秘蔵っ子」ストフェル・バンドーンがついにフル参戦デビューを果たし、彼が名手を相手にどこまで速さを見せるのかにも注目が集まっている。

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