傑作か? 失敗作か?今季のF1参戦10チーム&マシンを一挙公開 (8ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

ハース・VF-17ハース・VF-17(8)ハース
【ドライバー】ロマン・グロージャン(30歳・フランス)/ケビン・マグヌッセン(24歳・デンマーク)

 2016年にF1参戦を開始したアメリカの新興チームだが、フェラーリと幅広い技術提携を結んでおり、初戦から2戦連続で上位入賞を果たすなど、新チームとは思えないほどの実力を備えている。

 アメリカの工業用工作機械でシェアナンバーワンを誇るハース社の創業社長ジーン・ハースが、趣味と自社のPRを兼ねてNASCARに続きF1に参戦。ロータスで実績のある小松礼雄(こまつ・あやお)がチーフエンジニアとして技術・レース運営面を統括する。

 車体開発はフェラーリやイタリアのコンストラクターであるダラーラと提携しており、チーム設備面でもフェラーリと共通点が少なくない。当初はスタッフ数が十分に確保できず、不眠不休で開幕に間に合わせたこともあったが、昨シーズン中に人材確保が進み、チーム体制の強化も図られている。

 ロマン・グロージャンはかつて「壊し屋」の汚名を着せられたこともあったが、精神的に落ち着いてレースをすることができるようになったここ数年は、速さと安定感が評価されるようになってきた。本人は「それでも、わめいている無線ばかりが取り上げられる!」と不満のようだ......。マクラーレン、ルノーと渡り歩いたケビン・マグヌッセンが新たに加わり、ドライバー面でも強化が図られた形となった。

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