気まぐれな天気より謎。マクラーレン・ホンダは速いのか、遅いのか? (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 2度のセーフティカー導入、2度の赤旗中断と雨に翻弄された決勝でも、一時は7位を走りながら戦略上のミスとスピンでそれをフイにしてしまった。

「僕らはいつだって4番目のチームでありたいという期待感を持ってレースに臨んでいるし、今週末もフォースインディア、ウイリアムズ、トロロッソとの争いになるだろう。このサーキットはここ数戦よりも僕たちにとって合っていると思うし、それも可能だと思う」

 そう語っていたバトンは、土曜日からマシンのフィーリングがガラリと変わり、「絶対に何かがおかしい」と訴えたものの、ファクトリーでの原因究明を待つしかなかった。結果、予選ではアロンソから1秒も遅いタイムでしか走れず、雨の決勝ではさらにプアなグリップに苦しみ続けた。

「僕がウエットのドライビングの仕方を忘れたわけじゃないし、僕はいつもウエットが得意なのにね。昨日も言ったように、間違いなくクルマのどこかがおかしかったんだ」

 そのバトンだけでなく、アロンソもメインストレートでの最高速の伸びを欠き、上位勢とは10km/hほどの差をつけられた。

 もちろんパワーの差もあるが、それよりも大きかったのは、「踏めない」ということ。これは鈴鹿からずっと悩まされている問題だ。

2 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る