気まぐれな天気より謎。
マクラーレン・ホンダは速いのか、遅いのか? (5ページ目)
Q3に進む力がなかったアメリカGPでは、スタートで大きくポジションを上げたことと、セーフティカーのタイミングのおかげでダブル入賞を果たした。しかし、自信を持って臨んだメキシコGPでは、予想外の苦戦を強いられて無得点に終わった。
「中高速コーナーが弱いということと、グリップが低いところは弱いというのは明らかなんですが、クルマの最終的なセッティングの部分が取っ散らかっているというか、なかなかうまく安定していないという問題がありますし、それがいい方向に出るのか悪い方向に出るのか、読めないというところです」
コース特性やコンディションによって速さがブレるのは、ブレーキングの強さなどごく一部の武器だけに頼っているからであって、総合的な性能の欠如を表している。メルセデスAMGやレッドブルはどんなときでも速く、サンパウロの気まぐれな空にも左右されない。長谷川総責任者はそう言う。
「簡単に言えば、空力性能、メカニカルグリップ、パワーのすべて。それらを総合力として上げていかないと、安定して競争力を発揮することはできないということですね」
つまりは、夏から秋にかけて急にマクラーレン・ホンダの性能が低下したというわけではなく、あらゆるコース特性や気候に対応できる総合力のなさが露呈しただけ、ということだ。
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