F1ホンダを襲う「高地の呪い」。ターボ改善も、今度は空力がダメだ (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

「大丈夫って言うと壊れるんで、あんまり言わないようにします(苦笑)。TC(ターボチャージャー)の回転は通常より2割くらい上がっていますからね。ただ、それは事前にHRD Sakuraで検討した範囲なので、大丈夫だとエンジニアは言っていました」

 ターボには通常よりも大きな負荷がかかるうえに、フェルナンド・アロンソのマシンには旧型スペック「3.0」のICE(内燃機関エンジン)が搭載されていた。残り3戦のやりくりを考えてのこととはいえ、信頼性対策を施した「3.5」と比べれば、「3.0」はベンチテストでトラブルが発生したロットのパーツを内包している可能性もあり、もしそうだったとすれば、5戦という想定よりも格段に短い走行距離で壊れてしまう恐れがある。それでも、メキシコGPの1戦だけならば、信頼性に自信が持てる範囲内だった。

 しかし、メキシコシティでマクラーレン・ホンダが直面した問題は、そこではなかった。

「パワーユニットとしては、去年に比べればかなり改善したなと言えると思います。特に、ここに合わせてきたターボの設定がうまく機能しています。フェルナンドは『ここではエンジンの損失は全然感じなかった。今シーズンで初めてコンペティティブだった』とまで言ってくれました。もちろん、『ライバルを超えている』ということではなく、『戦える』という意味ですけど(苦笑)、文句を言われなかったのは今年初めてです。でも、クルマとして見たときには、かなり苦戦していますね......」

2 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る