F1後半戦。「紳士をやめた」ロズベルグがハミルトンに反撃開始 (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 すでに多くのレースで、パワーユニットモードを絞ってコンポーネントの寿命をセーブする姿勢も見せており、タイトル争いを考え、いかにそれが彼の精神面を大きく圧迫しているかを物語っている。その重圧があるからこそ、ヨーロッパGP予選のように追い込まれた状況下では、ハミルトンとて冷静ではいられず、ウォールにクラッシュするといったような大きなミスをしでかすこともあり得るのだ。

 メルセデスAMG勢同士のタイトル争いは、シーズン後半戦も最後まで目を離すことのできない激しいものになるはずだ。

 一方、多くのチームが2017年型マシンの開発にシフトしていくなか、ウイリアムズやザウバーといった資金難で前半戦に苦しんだチームは、後半戦に新造パーツ投入を再開させて上位との差を縮めてくるだろう。レッドブルとフェラーリが"3強"の地位を固めた前半戦だったが、フェラーリはこれ以上の今季型マシン開発を放棄するとみられており、中団グループとの差は一気に少なくなりそうだ。

 そんななかでマクラーレン・ホンダは、後半戦にパワーユニットを改良し、いよいよ待望のセミHCCI(予混合圧縮着火)技術を投入してくる。ルノーが約30馬力もの出力向上を果たしたとみられるこの技術をモノにできれば、ライバルとの差は一気に縮まるだろう。

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