佐藤琢磨、今季最高の4位目前で追突される。この不幸の原因は? (3ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano
  • 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 フルコースコーションの少し前にピットしていたデイリーは、燃料が足りなくなって残り6周でピットに向かう。琢磨は4番手へとまたひとつ順位を上げた。前を行くカルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)を抜くのは難しそうに見えたが、後方のブルデーも決定力はなさそうで、琢磨の2戦連続トップ5入り、そして今季ベストとなる4位フィニッシュはほぼ確実と見えていた。

 ところが、残り5周を切ってからブルデーがブレーキングをミスして琢磨に追突、2台揃ってコースから飛び出してしまう。琢磨は必死にマシンをコントロールしてエンジンストールとグラベルでのスタックを回避。土埃を捲き上げながらコースに戻ったが、順位は9番手まで後退。そこからの挽回は果たせず、9位でゴールした。

 ブルデーはレース後、「琢磨には申し訳ないことをした。完全に私のミスだった。パスできないことでイライラがつのっていた。それが僕に限界を超えさせるミスを犯させたんだと思う」と謝っていたが、アメリカのCARTシリーズで4年連続チャンピオンに輝き、テクニシャンとして高い評価を受けるドライバーとは思えない失態だ。これにより、琢磨は今季ベストリザルト、そして、2戦連続のトップ5フィニッシュを逃してしまった。

 レース後の琢磨は次のように語っている。

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