2016.08.04

佐藤琢磨、今季最高の4位目前で追突される。この不幸の原因は?

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano
  • 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

ミッドオハイオで一時は4位につけていた佐藤琢磨 ツィスティで少しアップダウンもあるミッドオハイオ・スポーツカーコース(オハイオ州コロンバス近郊)での佐藤琢磨(AJ・フォイト・レーシング)は、プラクティスから苦戦していた。

 3段階で争われる予選では、2グループに分かれて行なわれるQ1で敗退。それも、2グループ目の11人中で10位だったから、予選順位は22台出場中の20位となった。1週間前に行なったプライベートテストの時から悩まされていた、新品タイヤのグリップが高い時の瞬発力が不足したままだった。

 オーバーテイクが非常に難しいミッドオハイオで最後列ひとつ前からのスタートとなったら、序盤の早いタイミングでピットストップを行なう、運を頼りの奇策が常套手段になる。もし直後にフルコースコーションが出れば、まんまと上位に進出できる。2週前のトロントでも、予選20位だった琢磨は、この作戦でシーズンベストに並ぶ5位フィニッシュを果たしている。

 迎えた決勝日、緩やかにうねった地形を上手に利用して作られた芝生の観戦エリアには大勢のファンが陣取っていた。ホンダの工場が近くにあるため、ミッドオハイオではホンダドライバーを応援する声がひと際大きい。