マクラーレン・ホンダ、大クラッシュでも「トップ10」に手応え (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 開幕前のバルセロナ合同テストでは、2016年・本番仕様の空力パーツが間に合わず、セットアップも煮詰まらないマシンは極めて敏感な挙動を示していた。

 しかし、開幕の地メルボルンにはフロントウイングなど新たなパーツが持ち込まれた。金曜日はあいにくの雨となってしまったが、ようやくドライコンディションとなった土曜日からは入念な走り込みを行ない、マシン挙動はみるみる改善されていった。

 バトンは「いくら最大ダウンフォース量が出ていても、それが過敏な出方をするようでは安心して走ることはできない。そこまでのダウンフォース量でなかったとしても、"使える"ダウンフォースが欲しいんだ」とこぼしていたが、その開発方向性がようやく定まってきたのだろう。

 予選は新フォーマットのせいで十分なアタックができず、チームとして目標としていた「Q3進出(※)」は果たせず、12位・13位という結果に終わった。しかし、チームは入賞圏内のトップ10に向けてたしかな手応えを感じていた。

※予選はQ1~Q3まであり、出走台数が20台の場合、Q2に残るのは上位15台、Q3は上位10台。

 ホンダの長谷川祐介F1総責任者は、予選結果に満足したとは言わないものの、その表情からはマシンの仕上がりに胸をなで下ろした様子が伝わってきた。

「新予選方式に左右されてしまった......というところもありましたし、実力的には10位からそれほど離れたところではなかったと思います。やりようによっては、もう少し上に行けた可能性もあったのではないかと思います。クルマの進化はたしかに感じられましたし、バルセロナのテストに比べると、両ドライバーともずっと安定して走れるようになったと話していましたね」

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