エアレース開幕戦は大波乱。まさかの失格者続出に室屋義秀も困惑 (5ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 言い方は悪いが、機体性能が比較的低く、スピードが出ない飛行機のほうが急激な動きをすることができない分、この計測システムとは相性がよかったのかもしれない。室屋はレース後、しばらくして落ち着きを取り戻すと、顔をしかめて語った。

「注意していたのに、(波乱の波に)飲まれてしまったと言ってもいい。機体の性能を考えたら、もう少しスピードを落としてもよかったのかもしれない。1年間のゲームを戦ううえで、この先、もっといろんなことが起きるはずだし、それに対応していかなきゃ年間でトップにはなれない。それを考えれば、今日のレースは僕の負け」

 新たなGの計測システムとの相性の悪さは、現段階ではいかんともしがたい。どれほど機体のセットアップがうまくいき、自身のフライトが安定していても、それを一度のオーバーGでパーにされたのでは、世界チャンピオンの座は遠のくばかりだ。

 室屋は「これをはっきりと分析して攻略するのは簡単ではない。というより、チョー難しい(苦笑)。すごくセンシティブで、昨季だったらセンサーが反応しなかったところでも、過剰に反応してしまう」と語り、頭を抱える。

 今季から新規導入すべく開発を進めてきたウイングレット(主翼の先端に付ける小翼)の使用を、開幕直前にレース主催者側からストップされたのに続き、またしても室屋に思わぬ難題が降りかかった。

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