2016.03.17

マクラーレン・ホンダを叩く、
第2集団最大のライバルはここだ

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

開幕直前~2016年シーズン展望~

 2016年シーズンの開幕を直前に控え、最後のテストでも「最強メルセデスAMG対最速フェラーリ」という”見た目上の”構図は変わらなかった。メルセデスAMGは淡々とロングランに徹し、フェラーリは柔らかいタイヤで驚速タイムを記録する。

 フタを開けてみれば、どうせ今年もメルセデスAMGの圧勝に終わる……。そんなあきらめにも似た声も聞こえてくるが、本当にそうだろうか? 開幕前テストのタイムを分析することで、意外な真実を解き明かしてみよう。

昨シーズンはランキング5位に食い込んだフォースインディア 2週目のバルセロナ合同テストにおいて、ソフトタイヤで記録したメルセデスAMGの最速タイムは1分23秒022(ニコ・ロズベルグ/1日目)。それに対し、フェラーリのソフト最速タイムは1分23秒009(キミ・ライコネン/3日目)。わずかにフェラーリがタイムを上回った。

 もちろん、テストでは予選本番と違い、ある程度の燃料を積んで走ることで、”三味線を弾く”ことができる。メルセデスAMGがそれをやっていない確証は、どこにもない。路面コンディションの違いもある。

 しかし、当のメルセデスAMG自身が、フェラーリに対して警戒を強めているのだ。

「彼らがとても速かったことは事実だよ。ただ、僕らは自分たちの速さがどのくらいかを把握しているし、フェラーリに対して自分たちがどのあたりにいるのか、わかっているつもりだ。だからこそ僕は、『接近している』と言っているんだ。前にいるのか、後にいるのか、そこまではまだわからないよ」(ロズベルグ)

 メルセデスAMGは戦略担当エンジニアが各チームのデータを分析した上で、必ずしも自分たちが上にいるとは限らないと判断している。