小林可夢偉、WECとル・マンを語る「バカでは乗れないマシンです」 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  photo by Kyodo News

「まだTS050について詳しいことは話せませんけど、ポルシェやアウディに追いつけるように、寝る間を惜しんで頑張っている人たちがいっぱいいます。自分たちに与えられた環境のなかで、できるだけのことはやっています。それに、今年はポルシェやアウディも2台体制になるので、そこも追い風ですね。2台と3台じゃ全然違うし、実際、去年はポルシェの3台目のクルマが勝ったわけですから」

 昨年からテストも十分にこなしていることから、初めて経験するLMP1クラスでの戦いにも不安はまったくないと、可夢偉は断言する。

 ただひとつ、フォーミュラレースと違うのは、ドライバー個人が究極を求めるのではなく、チーム全体としての結果が優先であるという点だ。ドライバー個人として妥協をしたほうが、チーム全体にとってはプラスになることも多々あるという。

「ドライバーが本気で戦うということよりも、チームワークを重視しなければいけないレースだと思います。F1のときみたいにドライバーひとりにすべてが掛かっているというのではなくて、ドライバーが3人もいて、全員でうまくシェアしたり妥協したりしながら、協力して戦っていくことが大切です」

 若手ドライバーが血気盛んに走ろうとしても、それは結果的にチームの総合的なパフォーマンスを低下させることにつながったりもする。それを理解した上で、プロフェッショナルとしての仕事を果たすことが大切なのだと、可夢偉は言う。

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