【MotoGP】天候を味方に勝ったマルケス、慎重すぎたロッシ (2ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira  竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 しかし、日曜午後になって黒い雲が上空を覆い、MotoGPクラスのレースがスタートする直前にわずかに雨がぱらつき始めた。雨量はごくわずかで路面を湿らせるほどのものではなく、ドライコンディションでレースはスタートしたが、雨は少しずつ勢いを増して、1周目を終えないうちに「フラッグトゥフラッグ」を示す白旗が掲示された。フラッグトゥフラッグでは、路面状況が変化してもレースの進行は中断せずに、選手たちはピットに戻ってウェット用タイヤ(あるいはドライ用のスリックタイヤ)を装着したマシンへ乗り換えることが許される。

 序盤周回からトップグループを構成したロッシ、ロレンソ、マルケスの3名は、雨脚が強くなっても互いに牽制しながらスリックタイヤのまま周回を続け、同タイミングでピットイン。ウェットタイヤのマシンへ乗り換えて再びコースに戻った。

 レース復帰後も3名はトップグループで争ったが、やがて雨は上がり、路面の走行ラインは急激に乾いていった。そうなると、ふたたびピットへ戻ってスリックタイヤのマシンに交換するタイミングが終盤の展開を大きく左右する。彼ら3名のうち、まずマルケスがピットへ戻り、その2周後にロレンソがピットイン。ロッシがピットへ戻ってマシンを交換したのは、さらにその1周後だった。

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