【F1】「フェラーリ超え」を達成できず、ホンダに迫るタイムリミット (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 そんななか、ホンダは3トークンを使ってアップデートを施した新しいパワーユニットを金曜から走らせ、土曜にも新たにもう1基を投入した。新井総責任者は、「データに不安なところが見られたため」とその理由を語ったが、グリッド降格ペナルティをいくつ受けたとしても最大でも最後尾グリッドからのスタートとする、というルール変更を逆手にとったものであることは明らかだった。

 しかし、予選を終えてマクラーレン・ホンダの2台は17位・18位。後ろにはマノー勢しかおらず、トップから16位まで1秒以内にひしめく接戦のなか、マクラーレン・ホンダだけは2秒以上の後れを取った。

 高速サーキットであるスパ・フランコルシャンでは、10馬力がラップタイムにして0.2秒に値すると言われる。今回から本家フェラーリと同スペックのICE(内燃機関エンジン)を投入したザウバーは、20馬力の向上で0.4秒を稼いだと言われている。ホンダも「マーク3」と呼ばれるこの新スペックのパワーユニットで、確かに出力向上を果たしている。しかし、それがラップタイムに結びつけられなければ意味がない。

「研究所のダイナモ上で出ていた数値がコース上でもきちんと出ているのは、トルクセンサーからの数値で確認できました。でも、クルマを速く走らせるためにそれを効率的に使えているかというと、そうではなかった」

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