【MotoGP】36歳ロッシが完全復活。見えてきた2015年の勢力図 (4ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 しかし、ロッシとマルケスはともに「良好な関係性は変わらない」と軽く受け流して、メディア側の挑発には一切乗ろうとしなかった。シーズンが進んでチャンピオン争いが熾烈になっても、両者はこの関係と距離感を維持できるのか、あるいは何らかの変化が兆すのか。その推移にも注目が集まるかもしれない。

 4戦を終えてチャンピオンシップポイントの首位はロッシ(82ポイント)、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)が2位(67ポイント)、3位にロレンソ(62ポイント)。

 4位のマルケス(56ポイント)はやや出遅れている感もあるが、「そりゃあ30ポイント引き離されているよりは、リードしているほうがいいに決まっているけど、たとえば2013年は6戦目を終えた段階でかなり獲得ポイントを引き離されていた(※)。だから、今もプレッシャーは特に感じていないよ」と、さほど心配するような気配は見せていない。
※2013年第6戦イタリアGP終了段階では、ペドロサが123ポイントで首位、2位のロレンソは116ポイント。マルケスは93ポイントでランキング3位につけていた

 2015年シーズンはヨーロッパラウンドを迎え、今後の戦いはロッシ、ロレンソ、マルケスがそれぞれの持ち味を発揮して、正面からぶつかりあう展開になるだろう。マルケスひとりが主役をつとめた昨年や一昨年とはひと味もふた味も違う、モーターサイクルスポーツの醍醐味に充ちたスリリングな戦いが待ち受けている。

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