F1に乗れない小林可夢偉の2015年。「今、やりたいことがある」 (2ページ目)
可夢偉が参戦を決めたSFは、F1に匹敵する速さを誇るマシンと腕利きのドライバーたちを擁し、国内最高峰のレースと銘打っている。しかし、レース週末のサーキットに観客の姿はまばらで、レースファンの間で話題にのぼることはあまりなく、世間一般ともなるとその存在はほとんど知られていない。
「お客さんにスーパーフォーミュラを知ってもらうことが基本的なことじゃないかなと思うので、まずはそこをやっていきたい。それが今年の僕の役目だと思ってます」
可夢偉はこれまで3回の公式テストに参加し、サーキットで企画されたファンサービスにも注力してきた。サーキット外では、公式イベントだけでなくレッドブルのチャリティマラソンや「世界自閉症啓発デー」のイベントなどにも出席。また、イオンと提携した子どものためのカート教室など、この3カ月間でモータースポーツのPR活動を精力的にこなしてきた。
「たとえば、僕が居酒屋で飲んでいるときに、隣のおっさんが普通にスーパーフォーミュラの話をする時代になればいいなと思います。今はほとんどの人がスーパーフォーミュラという存在を知らないから、共通の話題にならないし、そこがいちばんの問題やと思うんですよね。野球なんかは、居酒屋で隣の人と野球の話をして友達になるっていうようなことがあるでしょ? そのくらいにならないとね」
マシンは速く、ドライバーの顔ぶれも一流。SFには人気を博すだけのポテンシャルがあると可夢偉は感じている。
「お客さんが入ればさらに面白くなると思いますよ。今はお客さんが少ないから寂しい雰囲気になっちゃってるだけで(苦笑)」
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