【MotoGP】天才マルケス「成長を続ける理由と唯一の弱点」 (3ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira photo by Nishimura Akira

「コースサイドで走りを見ていて、(マルケスは)世代も変わって乗り方もずいぶん違うんだなと感じますね。いきなりグランプリにやってきて勝った、という1980年代のフレディ・スペンサー(※)と同じじゃないですか。ふたりとも、以前の世代と全部が違うんですよ。ブレーキング、コーナー進入、旋回、立ち上がり……。マルクについては、Moto2時代から突出して速かったので、乗り方が特殊だなあと思って注目していました。Moto2では、マルクに近いことをできる選手はいるんだけど、MotoGPになると真似できない。つまり、彼らよりも一歩上を行っていたのがマルクだったんだな、と思います」
※83年に21歳で最高峰を制し、85年には最高峰と250ccの2クラスを同時制覇したアメリカ人ライダー。

2010年代の現在にマルケスがMotoGPの歴史を次々と塗り替えているように、1990年代後半から2000年代前半にかけて各クラスを制し、最高峰クラスでは6度の王座に輝いて天才の名をほしいままにしてきたのが、バレンティーノ・ロッシだ。

ロッシは36歳の現在もマルケスのライバルとして戦い続け、若きチャンピオンに勝つためなら己のライディングスタイルを変更することも辞さない、という闘争心を維持し続けている。

 ロッシは、今回のセパンテストを終えて、「今年はホルヘとダニが去年よりも強そうだね。彼らと戦って勝つために、自分ももっと強くならないといけない。あとはマルクだけど、彼にはとにかく弱くなってほしいよ(笑)」とジョーク混じりながら、半ばお手上げといった様子でその圧倒的な強さを認めている。

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