2015.02.12

手応えあり。ホンダF1総責任者が語った新マシンの仕上がり

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 以前のホンダのように、馬力や回転数を闇雲に追求するのではない。エンジンだけで勝てる時代ではない。2014年に複雑なパワーユニット新規定が導入されてから、F1はさらにその傾向が強くなった。
ヘレステストでトラブルもあったが走行を重ねたマクラーレン・ホンダ「もちろん出力やドライバビリティでトップを狙うというのは目標としてあります。だけどそれだけではなくて、今のパワーユニットにはエアロダイナミクスとの協調というもうひとつの要素が強く求められているわけです。エンジン単体の出力とかパワーユニット全体としての出力を出そうと思ったら、何とでもなるんです。でも、パワーユニットが邪魔をして空気が流れないというのでは困る。ですから、シャシーと一体となったパッケージを強く意識して開発を進めてきました。そのパッケージングにはすごく自信があるし、パワーユニット側としても出力を損なうことなく、うまくできたと思っています」

 2013年5月にF1復帰を発表して以来、栃木の研究所では2015年に向けてパワーユニットの開発が進められてきた。

 それは同時に、マクラーレンとのせめぎ合いでもあった。お互いに相手の突きつける無茶な要求に対し、結果を出してみせる。技術者同士の意地の張り合いでもあった。

「妥協点を探す工夫ではダメなんです。お互いに相当高いレベルを求めて、決して譲り合わないということをずっとやってきました。せめぎ合って、せめぎ合って、お互いに『そんなにやりたいんだったら、こっちもやってやるよ!』というくらいのやりとりでしたね。大人ですからケンカはしないですけど、技術的には相当やり合いましたね。こちらからかなり言ったりもしました。その結果が素晴らしい形になったと思うし、グリッド上で最もコンパクトなクルマになったんじゃないかと思います」