ゲリラ豪雨で大波乱。今年の鈴鹿8耐を制したのは? (3ページ目)

  • 西村章●構成・文 text by Nishimura Akira 竹内秀信●写真 photo by Takeuchi Hidenobu

 優勝はMuSASHi RTハルク・プロ(高橋巧/レオン・ハスラム/マイケル・ファン・デル・マーク)。下馬評の高かった昨年の優勝チームが、今年も同一メンバーで2連覇を達成した。

 難しいウェットコンディションを何セッションも走行した高橋は、「雨は得意ではないので、無事に走れてよかった。3回目の走行も、本当は自分の番じゃなかったけど、雨の走行経験があるということで自分の番になった。雨はもうたくさんです。今度はドライで走りたい」と、はにかんだような表情で語った。

 これが2回目の8耐となる21歳のチームメイト、ファン・デル・マークも、ほほを上気させながら落ち着いた表情でレースを振り返った。

「本当は3セッション目が僕の担当だったんだけど、チームの判断で走行経験のある(高橋)巧に任せることにしたんだ。その次のセッションを走行したんだけど、安定したペースでどんどん速く走ることができた。最後の担当セッションでもいいペースでリラックスして走れた。2年連続で勝つことができるなんて、夢のようだよ」

 チームのひとりひとりが、あくなき闘争心と仲間への全幅の信頼を抱き、そして自らの責任に対する覚悟を背負ってそれぞれの職分をまっとうしてゆく姿が剥き出しになるのが、鈴鹿8耐だ。おそらく来年の8耐でも、誰にも予測できないようなことがいくつも発生するだろう。そして、そのたびにそれらを乗り越えてゆく姿は、人々の心をさらに強く揺り動かすだろう。

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