【F1】チーム代表交代。不振のフェラーリが反撃開始! (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 アロンソは、ハミルトン(メルセデスAMG)の先行こそ許したものの、12周目に早めのピットストップでセバスチャン・ベッテル(レッドブル)を攻略。メルセデスAMGのもう1台、ニコ・ロズベルグには前に行かれたが、ダニエル・リカルド(レッドブル)を抑えきって3位のポジションを守り抜いた。

「表彰台を獲得できたのはちょっと驚きだったけど、嬉しいよ。ただし、フロントタイヤに厳しい特殊な性格を持つ上海サーキットでの結果だけに、楽観はできない」とアロンソは言う。

 ヨーロッパラウンドが開幕する次戦スペインGP(5月11日決勝)では、どのチームも大きなアップデートを持ち込んでくるはずだ。開幕から4戦のフライアウェイ戦で、ほとんど開発部品を投入できなかった中団以下のチームも、ここに照準を合わせて懸命の開発を行なっている。

「僕らはマシン性能が不足した状態で開幕を迎えたからこそ、伸びしろが大きいと思う。ただし、他チームも指をくわえて突っ立っているはずはなく、全力で開発を続けている。ライバルがコンマ数秒を稼いでくるなら、僕らはそのコンマ数秒以上を稼がなくてはならない。普通の速さで開発を進めたのではダメだ。プラスアルファのある速さで前進していかなければならない」

 そして、上海でフェラーリF1チームの現状をつぶさに見たマティアッチ新代表も、次のスペインGPからは真のチーム代表としての役割を果たしていくことになる。

「まだ4戦目でしかないんだ。メルセデスAMGとの差はまだ大きいが、我々の目標はそれを縮めることだ。我々はあきらめたりはしないよ」

 タイトル争いに向けた逆襲の第一歩、第二歩を確実に踏み出したフェラーリは、ここからどのような“第三歩”を見せてくれるのか。新代表の下で名実ともに新たなスタートを切ったフェラーリは、早くもその真価を問われることになるだろう。

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