2014.02.08

【MotoGP】2014年、「20歳の王者」マルケスと
「大ベテラン」ロッシの差は縮まるか?

  • 西村 章●取材・文 text by  Nishimura Akira 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 それにしても、速い。

 2014年最初のプレシーズンテストが行なわれたマレーシア・セパンサーキットで弱冠20歳の世界王者、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が見せた走りは群を抜く高水準の安定度で、自分よりも年長の強豪選手たちをすでに寄せ付けないレベルに達していた。

セパンでのテストでトップタイムを出し続けた昨年の王者、マルケス 初日のタイムは2番手と0.5秒差を開く2分00秒286。2日目は全選手のなかで唯一2分の壁を切って1分59秒926。昨シーズン、史上最年少記録を更新するチャンピオンを獲得したことで、「もうプレッシャーもないし、リラックスして走れている。でも、プレッシャーがあったときも、たいていはうまく対応してきたけどね」と、一日の走行後に語る言葉の端々からは、すでに余裕のようなものさえ感じさせた。

 テスト最終日の3日目、マルケスは午前中のコンディションが良い時間帯にタイムアタックを実施。2012年にケーシー・ストーナーが非公式に記録した最速タイム(1分59秒607)を塗り替える1分59秒533にあっさりと到達し、周囲を圧倒した。

 午後からはレース周回を想定したロングランを行なったマルケス。昨年のマレーシアGPで2位に入った際の総レースタイムは40分47秒948だったが、今回のロングランではこのレース時のタイムを29秒も短縮した。2014年のMotoGPは確実に、この20歳の若者を中心に回ろうとしていることを強く印象づける三日間だった。

 そしてもうひとつ、今回のテストで印象的だったのは、ヤマハ復帰2年目のシーズンを迎えるバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ・ファクトリー・レーシング)の復調だ。

 これまで7回の最高峰クラス総合優勝を達成してきたロッシは、35歳の誕生日を迎える。初日にマルケスに次ぐ2番手タイムでヤマハ陣営の最上位に立ち、「初日にしては2分00秒台を何回も出せて、ラップタイムの水準がいい感じだった」と、満足げに一日の走行を振り返った。

「去年の最大の問題だったブレーキングを改善するために、ヤマハはかなりの努力を払ってくれた。エンジンブレーキとシフトダウン、フロントのグリップが良くなっている。小さいことだけど、確実にいい方向へ向かっている」