【F1】大変革の2014シーズンは何が変わるのか? (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by Renault Sport

「最初はかなりリアが不安定で、高速コーナーではかなりスロットルを戻さなければならなかった。常にパワーをフルにかけることはできないし、スロットルを踏むのを待っているような感じだ。今はダウンフォースがあるからコーナーで多少はみ出しても姿勢を大きく崩すことはないけど、2014年型マシンはトルクがすごいから簡単にリアのコントロールを失うことになる」

 ドライバーたちが感じるマシンのフィーリングは、これまでとはまったく異なるものだったようだ。しかし、常に進歩を続けるのがF1という世界。「刻々と改良が進められている」とフェラーリのフェルナンド・アロンソは語る。

エンジンの規定変更により、マシンのデザインも昨シーズンとは変わっているエンジンの規定変更により、マシンのデザインも昨シーズンとは変わっている「初めてドライブしたのは2013年9月だったと思うけど、その時は2013年のマシンとはフィーリングがまったく異なっていたし、ドライブするのはとても難しかった。でも、シミュレーターをドライブするたびに別のマシンのように感じるくらい、どんどん進歩しているんだ。今ではかなり2013年のマシンに近づいてきている。オーストラリアで開幕戦(3月)を迎える頃には今よりもさらに進化しているはずだ」

 アロンソは、マシンはまだまだ進化しドライビングも変わっていくだろうと言う。ただ、それよりも重要なのは、「新しいパワーユニットをいかに使うか」だと見ている。

「2014年型マシンでどのようなドライビングスタイルが求められるか、それはまだなんとも言えない。それだけじゃなく、エンジンをどう使うかといったさまざまな決断がレース中にドライバーに求められるようになる。そっちの方が大きな変化かもしれないね」

 昨年までのKERS(運動エネルギー回生システム)は、80馬力のブーストを1周につき6.7秒しか使用できなかった。しかし2014年からは160馬力のブーストを33秒使用できるようになる。だからこそ、これを最大限有効に使うことが重要になるのだ。

 また、決勝で使用できる燃料が100kg(約140リットル)に制限される。従来の約35%減となるこの燃料量では、これまでとおりの走りをしていたのではガス欠になってしまう。燃費性能に優れたエンジンを開発するだけでなく、レースでの燃料の使い方も考えなければならない。つまり、状況に応じて燃費を抑えるのもレース戦略の一部となるのだ。

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