2013.05.21

【MotoGP】猛スピードで成長中。
新星マルク・マルケスの「驚異の学習能力」

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira  竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 フランス、ロワール地方のル・マンサーキットは、常に<不安定な天候>に悩まされる。ドライで推移した予選までのセッションから一転、フランスGP決勝の日曜日は夜明け前から雨模様の一日。MotoGPの朝のウォームアップはウェット、午後2時に始まった決勝もウェットコンディションで行なわれた。

 全28周回という長丁場のレースは、序盤にダニ・ペドロサ(レプソル・ホンダ・チーム)が、フロントロー3番手スタートのアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)と激しいトップ争いを繰り広げた。

 ペドロサは、全周回の折り返しとなる14周目にドヴィツィオーゾを振り切ってからは着々とリードを築き、後続との差を見はからいながら、最後は4.863秒差。前戦に続きしぶとい強さを見せつけた2連勝で、チャンピオンシップでもトップに浮上した。

フランスGPの優勝はペドロサ(写真中央)。2位にクラッチロー(左)、3位はルーキーのマルケス(右) 2位にはカル・クラッチロー(モンスター・ヤマハ・テック3)。前日の走行で右膝に軽い亀裂骨折を負ったものの、レースでは鬼気迫る走りでMotoGP自己ベストの2位を獲得。3位には、ポールポジスションスタートながらスタートに失敗し、中盤周回まで9番手あたりに揉まれていたマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)。

 マルケスは、終盤周回から一気に追い上げがはじまり、あと2周もあれば、クラッチローを喰って2番手に浮上していたのではないか、とすら思わせる強烈な走りだった。

 スタートに失敗し、8番手に沈んだ直後のマルケスは、序盤周回では前の集団と3~5秒差の単独走行で、サーキットのあらゆるコーナーでオーバーランを繰り返していた。

「レース序盤は、ほぼ全コーナーでどこでも転びそうな状態だった。ウェットのレーススタートは初体験だったので、失敗してしまった」
 とはレース後の本人の弁だ。