【F1】地元で快勝。アロンソが見せた「マシンを生かす」ドライビング

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 9万5千人の大観衆がスタンドを埋め尽くしたスペインGPで、その大歓声を一身に浴びたのは地元の英雄、フェルナンド・アロンソだった。手にしたスペイン国旗をなびかせながらのウイニングラン。予選で5番グリッドに沈んだ彼が決勝で独走勝利を収めるなど、誰が想像しただろうか。

 だが、アロンソとフェラーリには自信があった。

レース後、スペイン国旗を手に喜びを爆発させたフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)レース後、スペイン国旗を手に喜びを爆発させたフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)「予選5位という結果には驚いてはない。でも明日は表彰台か、それ以上の結果を狙いたい。そのチャンスは十分にあると思っている」

 予選の後、アロンソはそう言い切った。

 タイヤに厳しい負荷がかかるカタルーニャ・サーキットだが、金曜のフリー走行でフェラーリは良好なペース推移を見せていた。一発の速さはなくともタイヤに優しいF138のマシン特性が、決勝では大きな武器になることが分かっていたのだ。

 スペインGPの勝利を決定づけた場面は、ふたつあった。

 ひとつは、最初のピットストップだ。自分たちの強みとライバルの弱みを理解したうえで、フェラーリは最初からそこに狙いを定めていた。

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