【F1】有力チームの新車が出そろう。今シーズンのトレンドは? (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

photo by Scuderea Ferrariphoto by Scuderea Ferrari フェラーリは開発スタッフを2チームにわけ、2013年用と2014年用の開発を同時進行させる。かつて潤沢な予算でタイトル2連覇を達成した頃のルノーが採っていた開発手法だが、今、それができるチームはフェラーリの他にない。ただし、その場合、人的・資金的リソースの配分を考えなければならなくなる。

「どのチームもリソースは限られているのだから、何もかもやることはできない。誰にとっても難しい戦いになるだろう。どちらにどうリソースを割くか、非常に難しい決断を迫られることになる。バランスを取るのは非常に難しく、2013年の戦いがどう進められるかによってチームごとに対処の仕方は違ってくるだろう。勝つチャンスのあるチームは2013年の開発をプッシュし続けるだろうし、そうでなければ2014年の開発にスイッチすることになるだろうね」(エイドリアン・ニューウェイ/レッドブル)

 つまり、2013年シーズンの大まかな趨勢は、序盤の数戦で決まってしまう可能性がある。具体的に言えば、5月のヨーロッパラウンド開幕に合わせて投入されるアップデート。そこまでで結果が出なければ、それが2013年最後の開発になるというチームも多数出てくるだろう。

 そんな開幕ダッシュを実現するためには、何が重要か。それは、いち早く新しいピレリタイヤを理解し、その対策をマシンに反映させることだ。

 3月17日の開幕戦までに行なわれる計12日間のオフシーズンテストをいかに過ごすかが、それを大きく左右することになる。つまるところは、シーズンの行方を占うという意味で例年以上に開幕前テストが果たす役割が大きいということだ。

 コンサバティブなマシンたちがどのような進化を見せるのか、そしてアグレッシブなマシンたちの成否は? いつも以上に今年のニューマシンと開幕前テストは見どころの多いものになりそうだ。

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