【MotoGP】最後の勇姿。引退するケーシー・ストーナーとライバルたちの想い (3ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 ところで、今回のレースでは、序盤2周目にストーナーのチームメイト、ダニ・ペドロサが4コーナーで転倒してリタイアを喫した。破竹の連勝を続けてロレンソに猛追したペドロサが自滅したことにより、2012年のチャンピオンは最終戦を残してロレンソに決定した。

 そのロレンソは、チャンピオンを確定させた今回のレース後に、ストーナーについて
「ケーシーは、今まで自分が見てきた中でも最も才能のあるライダー。彼がいなくなるとさみしくなる」と語り、最大級の賛辞を贈った。

 ストーナー自身も、ロレンソやペドロサとの関係について、
「ダニとホルヘには、非常に大きな敬意を抱いている。自分のレース人生のなかで、ずっと彼らとともに競い合い、互いに挑み合う関係が続いてきた。一緒に戦わなくなると、きっとさみしく感じるだろうね」
 と話す。

 11月11日に決勝が行なわれる第18戦バレンシアGPで、27歳のケーシー・ストーナーは現役生活にピリオドを打つ。10年以上、彼がロレンソやペドロサと繰り広げてきた戦いを我々が目の当たりにできるのは、このレースが最後になる。以後、彼らが一緒に戦うことは、もうない。

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