ラジオNIKKEI賞は穴党好みの一戦。波乱の使者は人気の盲点となる経験豊富な2頭

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 今週から夏の福島開催がスタート。開幕週に行なわれる重賞は、3歳馬によるGIIIラジオNIKKEI賞(7月2日/福島・芝1800m)だ。

「夏の福島競馬の開幕を告げる3歳重賞。開幕週の馬場を踏まえてセオリーどおりに(逃げ・先行馬を重視して)攻めればいいかと思いきや、差し馬の台頭も目立ち、ひと筋縄とはいかない"穴党好み"のレースで、高配当がよく飛び出しています」

 同レースの特徴についてそう語るのは、先週のGI宝塚記念を◎イクイノックス-★スルーセブンシーズ-○ジャスティンパレスで的中させたスポーツ報知の坂本達洋記者だ。

 実際、坂本記者が言うとおり、ラジオNIKKEI賞は波乱含みの一戦。過去10年の結果を見ても、1番人気はわずか2勝と今ひとつの成績で、7番人気以下の伏兵が毎年馬券圏内(3着以内)に突っ込んできている。おかげで、3連単の配当はすべて万馬券。2013年の90万円超えを筆頭に、10万円超えの高配当が5回もある。

 それだけ"荒れる"のは、3歳馬同士の一戦でありながら、ハンデ戦であることが大きい。その点を踏まえて、坂本記者は今年のレースについてこんな見解を示す。

「GI日本ダービーと同じ日に行なわれるオープン特別の白百合S(京都・芝1800m)組から駒を進めてくる馬が多く、昨年も同レース(※京都競馬場の改修工事により、2021年、2022年は中京・芝2000mで施行)の勝ち馬フェーングロッテンが勝利。2018年も、メイショウテッコンが同じローテーションで連勝を飾っています。

 そして今年も、白百合S(5月28日)を勝ったバルサムノート(牡3歳)が参戦。オークストライアルのオープン特別・スイートピーS(4月30日/東京・芝1800m)を勝ったウヴァロヴァイト(牝3歳)あたりとともに、上位人気になりそうです。

 ただ、何より難しいのは(対戦実績が乏しい馬たちによる)力関係の比較。それがハンデ戦という要素と相まって、これまでも多くの波乱を呼んでいるのだと思います。

 とくに今年は、前走の1勝クラス(5月14日/東京・芝1800m)を5馬身差で圧勝したレーベンスティール(牡3歳)が先に挙げた面々よりも人気になりそうで、力関係の比較が例年以上に難しくなっています。同馬は体質の弱さもあって、間隔をあけて大事に使われてきましたからね。

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