日本ダービー「2強」の一角、スキルヴィングの血統の信頼度は? 父仔3代制覇を狙うドゥラメンテ産駒にも注目 (2ページ目)
ダービーに縁がある血統馬では、1994年のナリタブライアン、2005年のディープインパクト、2013年のキズナ、2017年のレイデオロが同牝系。遠縁だが1998年のスペシャルウィーク、2006年のメイショウサムソン、2007年のウオッカも同じ一族だ。過去まで遡れば、他にも同牝系の例は多数ある。
こう見ると、スキルヴィングの母系は十分にダービーと縁があるし、父の父ブラックタイドはダービー馬を7頭出したディープインパクトの全兄だ。直近4年連続を含む過去15年で、12頭の勝ち馬を送るサンデーサイレンス系でもある。
スキルヴィングはトライアル競争のGⅡ青葉賞(東京・芝2400m)の勝ち馬。青葉賞の勝ち馬はダービーで勝てていないが、青葉賞がGⅡに格上げされた2001年以降に21頭が挑戦し、2着5回、3着2回と、まずまずの成績を残している。
母の父シンボリクリスエスも、青葉賞を勝ってダービーでは2着だった。父キタサンブラックや母の父シンボリクリスエスはダービーで悔しい思いをした馬だが、祖母の父アドマイヤベガや近親ロジユニヴァースの後押しで、ダービー制覇といきたい。
もう1頭はドゥラエレーデ(牡3歳、栗東・池添学厩舎)を挙げる。こちらは父ドゥラメンテ、父の父キングカメハメハ、母の父オルフェーヴルがダービー馬という"ダービー配合"だ。
今回、父が同じシーズンリッチと同馬のみが「父仔制覇」のチャンスがあり、同時に史上初の「父仔3代制覇」がかかっている。ちなみに、おじのサトノダイヤモンドは2016年のダービーで落鉄し、ハナ差の2着と惜敗。スキルヴィングとは逆で、牝系の無念を父、母の父の血で晴らしたいところだ。
以上、今年のダービーはダービーに縁のある血統馬スキルヴィング、ドゥラエレーデの2頭に期待する。
著者プロフィール
平出 貴昭 (ひらいで・たかあき)
主に血統分野を得意とする競馬ライター、編集者。(株)サラブレッド血統センター在籍。著書に『覚えておきたい日本の牝系100』『一から始める! サラブレッド血統入門』など。「週刊競馬ブック」で『血統見聞録』を連載するほか、「競馬四季報」などの編集業務にも携わる。そのほか、『優駿』などにも寄稿。twitterアカウント:@tpchiraide
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