「大混戦の牡馬クラシック」皐月賞に大挙してやってくる関西勢で「色気」を持っている陣営はどこだ

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Kyodo News

 今年のGI皐月賞(4月16日/中山・芝2000m)は「近年まれに見る大混戦」と言われている。実際、ずば抜けた存在はおらず、まさにどの馬が勝ってもおかしくない状況だ。

 おかげで、有力視されている馬は五指に余るどころか十指に余る。それでも、各メディアで高い評価を受けている馬が何頭かいる。

 とりわけ人気なのは、関東馬のソールオリエンス(牡3歳)だ。GIII京成杯(1月15日/中山・芝2000m)で圧巻のレースぶりを披露し、無傷の2連勝で重賞勝ちを決めたことが、その評価につながっているのだろう。

 だが、そうした状況を黙って見ていないのが、皐月賞出走馬の半分以上を占める関西勢である。関西のある競馬関係者が語る。

「京成杯は確かに強い勝ち方でしたからね。(関西でも)ソールオリエンスのことは『走る馬』と見ています。ただ一方で、『そこまでの馬やない』という見方もあります。2戦2勝とはいっても、9頭立ての競馬を2回勝っただけですから。それほどの脅威には感じていません。

 それなら、同じ関西に『もっと警戒すべき馬がいる』と見ている厩舎関係者のほうが多いように思います」

 関東期待のソールオリエンスについて、「そこまでではない」と見る関西陣営。では、彼らがそれ以上に「警戒すべき」と見ている関西馬とはどの馬なのか。

 筆頭に挙げられるのは、近年ステップレースとして高い評価を得ているGIII共同通信杯(2月12日/東京・芝1800m)を制したファントムシーフ(牡3歳)だ。クリストフ・ルメール騎手が鞍上を務めるとあって、関西では「皐月賞はこの馬が1番人気」と予想する声が大きいという。

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