堤礼実アナが語る希代のトップジョッキーの引退「私の競馬人生は福永祐一騎手なくして語れない」

  • 藤巻 剛●撮影 photo by Fujimaki Goh

堤 礼実連載:『華麗なるウマ話』第49回

スポルティーバとフジテレビの競馬中継番組『みんなのKEIBA』とのコラボ企画、堤礼実アナウンサーの連載『華麗なるウマ話』。今回は、この2月でジョッキー生活からピリオドを打った福永祐一騎手について語ってもらった――。

 2月25日深夜、中東サウジアラビアから大偉業達成のニュースが飛び込んできました。

 パンサラッサがサウジカップを優勝! 日本馬初の快挙を達成しました。

 昨年のドバイターフに続いて2度目の海外GI制覇となりますが、今回は世界の強豪が集った賞金額世界一のレースで勝ったのですから、パンサラッサやその関係者はもちろんのこと、日本競馬界にとっての偉業だと思っています。それが成し遂げられたことには、ただただうれしいのひと言です。

 今年のサウジカップには6頭の日本馬が出走していたので、勝利への期待は高く、日本馬が勝つかどうかだけでなく、どの馬が勝つのだろうというワクワク感もありました。そして、パンサラッサがギリギリで逃げ切れるかどうかというレースでしたから、興奮とともに歴史的勝利を味わうことができました。

 ちなみに、パンサラッサが得た賞金は、なんと1000万ドル。日本円でおよそ13億円!

 そもそも競馬界は、私にとっては途方もない金額が動いている世界ですが、それにしてもひとつのレースで13億円とは......。自分のお金でもないのに、自分ならどう使うかと考えてはみたものの、ちょっと想像がつきませんでした(苦笑)。

 サウジカップと同じ日に行なわれた他のレースでも、バスラットレオン(1351ターフスプリント)、シルヴァーソニック(レッドシーターフハンデキャップ)が勝利。これでまた日本競馬の強さやすばらしさが世界により広まったと思うと、誇らしい結果となりました。

 さて、パンサラッサの快挙達成の一方で、このサウジカップデーでの騎乗が現役最後の騎乗となったのが、福永祐一騎手です。帰国後の3月4日には阪神競馬場で引退式も行なわれ、今後は技術調教師として来年の厩舎開業までの準備を進めていくそうです。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る