京成杯はレースと相性がいいハーツクライの血に注目。最注目の種牡馬、キタサンブラックの産駒も重賞初制覇を狙う (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 そのホープフルSの記事でもセブンマジシャンを本命に推し、その際にも強調したが、母系の血統も魅力的だ。母の父メイショウサムソンはこの舞台で開催されたGⅠ皐月賞や、GⅠ日本ダービーを勝った名馬。母ハピネスダンサーも3歳時に中山・芝2000mのミモザ賞を勝っている。さらに、叔母にGⅠ有馬記念などGⅠ4勝のクロノジェネシス、GⅠ香港CなどGⅠ2勝のノームコアがいる良血。ノームコアも中山・芝2000mでは、GⅢ紫苑Sを3馬身差で圧勝している。

 ちなみに、昨年の勝ち馬オニャンコポンは新馬戦、百日草特別を勝利後、ホープフルS11着を経て京成杯を勝利。セブンマジシャンも同じような臨戦過程で出走する。同じコースのホープフルSで、GⅠの強いメンバーに揉まれた経験は生きてくるはずだ。良馬場でも重馬場でも、先行でも追い込みでも結果を残しているのは大きな強みで、折り合いがつけば大崩れはしない安定感がある。今度こそ重賞初制覇なるか。

 注目しているもう1頭はソールオリエンス(牡3歳、美浦・手塚貴久厩舎)を推す。同馬は11月13日の新馬戦(東京芝1800m)で勝ち上がって以来、約2カ月ぶりの実戦となる。その新馬戦は着差こそクビ差だが、上がり3F33秒3という素晴らしい瞬発力を披露し、素質を感じさせる内容だった。2着だったレーベンスティールは、続く未勝利戦を3馬身半差で圧勝したように相手も強かった。実際に、新馬戦では3着と5馬身の差がついている。

 ソールオリエンスの血統を見てみよう。父キタサンブラックは現在、最も注目を集める種牡馬だ。代表産駒イクイノックスはGⅠ有馬記念、GⅠ天皇賞・秋を制し、昨年のJRA賞年度代表馬に輝いた。他にもGⅡセントライト記念のガイアフォース、GⅢアルテミスSのラヴェルなど順調に重賞勝ち馬を送っている。

 母系は半兄に、GⅡ富士S(芝・1600m)を勝ち、2021年のGⅠドバイターフでも2着に入ったヴァンドギャルドがいる良血。母の父モティヴェイターはGⅠ英ダービー馬で、GⅠ天皇賞・春などGⅠ3勝のタイトルホルダーの母の父。スタミナとパワーに溢れる血統なだけに、距離延長も中山の馬場も合うだろう。

 以上、今年の京成杯はジャスタウェイ産駒セブンマジシャン、キタサンブラック産駒ソールオリエンスに期待する。

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