牝馬クラシックをいち早く予想する。識者5人が選定した今年の桜花賞馬とオークス馬 (3ページ目)

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木村拓人記者(デイリー馬三郎)

◆桜花賞=リバティアイランド
◆オークス=ラヴェル(牝3歳/父キタサンブラック)

 アルテミスS、阪神JFの内容から、桜花賞までは能力的にリバティアイランドが堅い存在であることは疑いようがないでしょう。現状の完成度から、二冠達成も十分に考えられるほどです。

 ただ、筋肉の発達からすると、馬体的にはマイラー色が強い感じがします。オークスよりは、桜花賞が勝負舞台になると踏んでいます。

 ひとつ上の半姉にナミュールがいるラヴェル。その半姉は続けてレースを使うとパフォーマンスを落とすタイプでしたが、同馬もアルテミスS1着から阪神JF11着と、極端にパフォーマンスを落としてしまったことを考えると、気性面に繊細な部分があるのかもしれません。

 ですが、アルテミスSを見た際、1着ラヴェルと2着リバティアイランドの2頭は、この世代で抜けた存在であると思いました。精神面さえ整っていれば、父キタサンブラック譲りの、いい意味での緩さが距離延長でプラスに働きそう。同じキタサンブラック産駒で"緩いのにキレる"イクイノックスに通じる部分もあって、オークスでは楽しみな1頭です。


土屋真光氏(フリーライター)

◆桜花賞=リバティアイランド
◆オークス=ドゥアイズ(牝3歳/父ルーラーシップ)

 阪神JFを完勝したリバティアイランド。そこで見せた走りは、文句のつけようのない、スケール感が大きいものでした。アルテミスSの2着は脚を測った感があり、それが本番できっちり生かされたように思います。

 また、強烈な末脚の印象が強いですが、荒れた阪神の馬場でも力強い伸びを見せた点から、舞台が同じ桜花賞で崩れる場面は考えにくいです。

 ドゥアイズは、前々走のGIII札幌2歳S(9月3日/札幌・芝1800m)では、スタートから4コーナーまで終始外を回らされ、道中はやや折り合いを欠いていました。ズルズルと後退してもおかしくない状況にありながら、2着に粘りました。

 続く前走の阪神JFでは、インを突いた直線半ばで前が壁になる不利を受けながら、そこから立て直してリバティアイランドよりもコンマ1秒速い上がりタイムをマークして3着。スムーズなら、もっと際どい勝負になったように思います。

 オークスなら、こうした不利も減りそうですし、距離が延びれば、リバティアイランドを逆転できると見ています。

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