ディープインパクトのラストクロップのなかでも、大きな期待を集めるスイープアワーズは今

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

厳選!新馬情報局(2023年版)
第31回:スイープアワーズ

 現役時代に三冠を含むGI7勝を挙げて、近代競馬を代表する1頭となったディープインパクト。同馬は引退後も種牡馬として活躍。数々の名馬を世に送り出し、2012年から2022年までリーディングサイヤーのトップに君臨してきた。

 そんな日本競馬屈指の種牡馬も2019年に死去。2023年の3歳世代がラストクロップとなる。しかも、日本で血統登録された産駒はわずか6頭しかいない。

 その産駒たちはいずれも注目されているが、なかでも多くのファンが熱い視線を送っている馬がいる。栗東トレセンの友道康夫厩舎に所属するスイープアワーズ(牡3歳)である。

 同馬の注目度が高いのは、ディープインパクトの希少なラストクロップであるのはもちろんのこと、母がGIを3勝したスイープトウショウだからだ。

スイープアワーズの母スイープトウショウ。2005年の宝塚記念では強豪牡馬を一蹴したスイープアワーズの母スイープトウショウ。2005年の宝塚記念では強豪牡馬を一蹴したこの記事に関連する写真を見る スイープトウショウは2歳時から頭角を現わし、強烈な末脚を武器にしてデビュー2戦目には重賞を制覇。3歳になってからも、桜花賞トライアルのGIIIチューリップ賞(阪神・芝1600m)を快勝し、春のクラシックの主役を務めた。

 結局、GI桜花賞(阪神・芝1600m)5着、GIオークス(東京・芝2400m)2着と、春には戴冠を果たせなかったものの、牝馬三冠の最終戦となるGI秋華賞(京都・芝2000m)で優勝。悲願のGI制覇を遂げた。

 古馬となっても、重賞戦線で奮闘。4歳春にはGI安田記念(東京・芝1600m)で10番人気ながら2着に入ると、続くGI宝塚記念(阪神・芝2200m)では中団から鮮やかに抜け出して勝利を飾った。同レースでも11番人気の低評価だったが、タップダンスシチー、ゼンノロブロイ、ハーツクライ、リンカーンなどそうそうたる面々を見事に蹴散らした。

1 / 2

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る