牝馬クラシックをいち早く予想する。識者5人が選定した今年の桜花賞馬とオークス馬 (2ページ目)

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坂本達洋記者(スポーツ報知)

◆桜花賞=モリアーナ(牝3歳/父エピファネイア)
◆オークス=リバティアイランド

 モリアーナは、昨年6月の世代最初の新馬戦が始まった開幕週で白星。その勝ちっぷりも、好位からメンバー最速の上がり33秒0のキレ味を発揮したもので、秘める能力の高さは非凡なものがあります。

 2戦目も、オープン特別のコスモス賞(8月13日/札幌・芝1800m)を快勝しましたが、同レースが9頭立てという少頭数の競馬で、フルゲート18頭のレースとなった続く阪神JFでは経験値の差が出てしまいました。しかも、一線級相手のタフな競馬となり、12着に敗れました。

 それでも、力があるのは確か。この春はGIIIクイーンC(2月11日/東京・芝1600m)から始動する予定ですが、マイル戦はベストと言える条件ですから、持ち前のスピードと勝負根性で巻き返しを図って、桜花賞へ向けて弾みをつけてほしいです。

 リバティアイランドは、上がり31秒4をマークした衝撃のデビュー戦(7月30日/新潟・芝1600m)からクラシック候補の呼び声が高い1頭。能力の高さは折り紙つきです。

 アルテミスSこそ、勝ち馬より追い出すタイミングがワンテンポ遅れた分、2着に終わりましたが、前走の阪神JFでは1頭だけ次元の脚色を披露。豪快な差し切り勝ちを収め、この世代における"1強ムード"を強く印象づけました。

 母はオーストラリアの芝2000mのGI戦を勝っているヤンキーローズ。その血筋や折り合い面にも不安がないことから、距離が延びても十分にこなせそう。桜花賞は立ち回りひとつで、モリアーナにチャンスがあっても......と思っていますが、実力を試されるオークスではリバティアイランドの優位は動かないと見ています。


小田哲也記者(スポーツニッポン)

◆桜花賞=ペリファーニア(牝3歳/父モーリス)
◆オークス=リバティアイランド

 半兄がエフフォーリアのペリファーニアは、有馬記念当日の新馬戦(12月25日/中山・芝1600m)を快勝。まだ1戦1勝馬ですが、背中のよさは兄譲りですし、新馬戦で見せた機動力はなかなかのものだと思います。モーリスの産駒がここにきて好調ですし、成長力があるのも武器です。

 クラシック出走には、一発で権利を獲る必要がありますが、おそらく出走予定のクイーンCできっちり賞金を加算できれば、それはクリアできそう。リバティアイランドは強力な存在となりますが、桜花賞ではかなり期待できると思います。

 リバティアイランドは、適性的には桜花賞向きかもしれませんが、ドゥラメンテ産駒ならマイル戦に特化しているとは思えません。総合力の高さからしても、オークスは確勝ではないかと見ています。

 レースぶりは危なげなく、馬格もしっかりしています。関東への輸送もすでに経験済み。また、終(しま)いの脚が注目されていますが、位置を取りにいける強さもあります。牡馬のなかに入っても、通用するのではないかと思っています。

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